『人を人(人格)として、認める』〜人を大切にする経営〜
◆はじめに
エイベックス(株)は、加藤社長のお父様が1949年にミシン、8ミリ映写機及び車のブレーキ等の部品メーカーとして個人創業し、1953年に加藤精機(有)を設立されました。
加藤社長は、1969年、大学卒業後同社に入社され、1984年、社長に就任されました。その後、社員たちを変えていくためには自分が変わる必要があるということに気づいた加藤社長は、経営のスタイルをトップダウン方式からボトムアップ方式へと変えることにしました。
これが同社の「人を大切にする経営」の原点となり、1992年、企業ビジョンの明確化を図り、第二創業期と位置づけ、社名をエイベックス(株)に変更しました。
◆人との出会いを大切にした採用
1995年より大卒者の採用を始められています。採用の流れは、Web募集・合同説明会→一次面接→二次面接→最終面接です。これまでは合同説明会から訪れる学生が多かったのですが、今年度は合同説明会よりWeb募集を見て訪れる学生が増えてきたそうです。同社ではホームページに力を入れていますが現在更にホームページを充実させています。
毎年500名程度が会社説明会に参加していますが、採用のすべての場面に社長自らが立ち会って会社の経営理念・方針、思いを繰り返し語ることによって採用時には会社のことを理解し同じ方向を向いていてくれるそうです。
こうすることによって、有能な人材が集まります。そして内定の時点では加藤社長の熱烈なファンとなっていますので、大卒の採用を始めてからこれまでに内定の辞退者は一人もいないそうです。
◆人づくりを第一に考える
加藤社長は、「人間はなんのために働いているかと言えば生きがいややりがいを感じられるような豊かな人生を送るためだと思います。仕事をするうえで成長が実感できれば生きがいややりがいを感じることができ、一人ひとりが成長することにより確実に会社も成長します」とおっしゃいます。
同社では年3回ある長期休暇の初日に全社員の研修会「サクセスデー」を実施し、午前中は大掃除を実施する中で「気づき」を学び、午後から経営指針発表会・報連相全社大会・目標成果発表会を実施しています。
この発表会では部署ごとに成功した良い事例を取り上げ、「なぜ成功したのか?どのようなプロセスを経て成功したのか?」を徹底的に分析して報告することにより、今後の業務に生かせるようにして社内の士気を高めています。
仕事をすすめるうえでの理想像と現状を比べれば当然ギャップが見えてきます。これを社員一人ひとりが発見し、自分で解決するためにはどうしたらよいかを考えて、自分で仕事を作れる人材に育つように周囲がアドバイスし合える環境を作っています。こうして自分で考えて行動するという自立型人間が育つ社風が醸成されつつあります。
また、全社的に進むべき方向をあわせるために経営指針書を全員に配布し、意思統一を図り会社の方針に社員一人ひとりの仕事や役割をどう関連づけていくかをグループ単位で討論し、方針・目標とのすり合わせを行っています。
社員全員が共に成長しあい、働きがいややりがいが感じられるような環境を築くことで社員の能力向上と充実した社会生活を送れるようになることが目標です。
◆人を生かす人事
人事についても人材登用制度ではなく、中小企業という小回りが利く特性を生かした同社独自の立候補制度を用い、管理職などは任期を1年と定めたうえで立候補します。
たとえば、ある部署の係長希望者が二人となった場合は、新しく希望した人が係長となり前任者は新しい係長の下で補佐する。その代わり前任者は翌年2階級特進する権利が出来るといったようなものです。
自らやる気のある社員が役職につくという全くオリジナルな人事制度を確立し、社員の潜在能力を引き出すのに大きな役割を果たしています。
この制度が現在は有効に機能していますが、将来的に不都合が生じたらその時は話し合って変えていけば良いといわれます。
このように実情に応じて柔軟に対応できるところが同社の強みです。
◆今後の目標
同社では、21世紀の新たな成長を図るための経営指針書として2010年ビジョンを描いています。
最近4年間で売上と従業員数は倍増しました。今年度は主力製品の自動車部品のオートマティックトランスミッション用スプールバルブを約6,000万個生産し、売上げは約20億円を見込まれています。
多くの部品メーカーが海外へ進出していく中にあって、国内での活路を見い出し、2004年に多度工場を新設されました。今年夏には多度工場の増築工事も終り、主力製品の生産拡大を図っています。
社員のベクトルを合わせ、全社員一丸となり、2010年ビジョンを実現させていきたいとおっしゃいます。売上は2010年には50億円を目指しています。
◆趣味と中小企業家同友会
加藤社長の趣味は山登りと家庭菜園ですが、趣味の原点は鉄道だとおっしゃいます。今では時間も無くできなくなりましたが、子供のころに鉄道模型を作ったり鉄道の写真を撮ったりすることで、ものづくりの楽しさや写真の素晴らしさを学びましたとおっしゃいます。
会社の経営と同様に愛知県中小企業家同友会の会員としての活動も活発に行なっておられます。この同友会の理念「自主・民主・連帯」の内「連帯」は、お互いに助け合いながら「暮らす」ことですが、加藤社長が趣味として続けられている家庭菜園から得た考えをたとえとして、「我々は竹を、少し地上に出た時に掘り上げて筍として食べて、食の満足を得て生きています。常に感謝の気持ちを持って味わうことが大切です」とおっしゃいます。
人を大切にすることはもちろんのこと、生ある植物に至るまで大切にされる加藤社長の優しさと暖かい人柄が伝わると同時に経営に対するゆるぎない信念と自信を感じました。
●本 社 名古屋市瑞穂区内浜町26番3号
TEL 052-811-1171
FAX 052-811-1175
●設 立 1949年6月
●業 種 自動車関連部品製造などど |
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