名古屋市中小企業情報センター  

経営者探訪

名古屋のユニークな中小企業や元気な中小企業の経営者を訪ね、インタビューします。
コンセプトは「ミックス銘菓
自社ブランドを持つことの波及効果
消費者に向き合うメーカーとして
経営のツボ








経営の鍵
名古屋市新事業支援センターだより
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企業を支える女性
ちょっと気になる言葉
 服部さんは、親会社でもある和・洋菓子製造と卸を主体とする井桁堂の2代目。
 自分たちが作ったお菓子を直接消費者に届けたいという長年の夢を実現するため、自社ブランド「名古屋ふらんす」を立ち上げた。
 今、サービスエリアなどで人気のお菓子となった「名古屋ふらんす」。
 その製造、販売に至るまでに、どんな思いがあったのだろうか。

◆コンセプトは「ミックス銘菓」 

 名古屋の新しいお菓子「名古屋ふらんす」誕生のきっかけとなったのは、2005年の愛知万博。
 名古屋にやって来る観光客に向けて、新しい名古屋土産を自分たちで作れないか。そんな思いから自社ブランドで製造する夢が大きく動き出した。

 「名古屋には昔ながらのお土産はあるが、新しいものは育っていない。東京は、若い人にも受け入れられる新しいお土産がどんどん出ている。名古屋でもそういうものをぜひやってみたいという気持ちがもともとの発想でした。」

  そこで、服部さんがこだわったのは、斬新なコンセプト。 
「今までにない感覚、そして名古屋らしさ」。それを併せ持つコンセプトを見出すため、若手社員、企画会社とともに長い時間をかけて議論したという。そして得たコンセプトが「ミックス銘菓」。

 「名古屋にはおいしいものとおいしいものをミックスして、さらにおいしいものを作ろうという食文化の伝統があるでしょう。だからまず最初に、名古屋らしい食文化の特色をお菓子に生かすことを決めた。そしてダックワース(アーモンド風味のメレンゲを使った焼き菓子)というフランス生まれのお菓子の生地を使って、和と洋のミックスのお菓子ができたら面白いなと思ったんです」。

 「洋」の生地は決まった。では中にサンドする「和」は何にするのか。
試行錯誤を重ね、社内で試食を繰り返して選んだのはお餅。
「インパクトがあって意外にいけるぞ」と製品化に踏み出した。

 こうして誕生したのが「名古屋ふらんす」。
餅とクリームをふわふわの生地でサンドし、「名古屋ふらんす」というネーミングも和と洋のミックスで、コンセプトを表現した。
デビューは、セントレア開港前の名古屋空港。

 「ワゴンを出して、呼び込みの人をつけて、お客様に試食してもらう様子を緊張しながら見ていたことを覚えています。そのときのお客様からの反応が良くて、空港会社からも評価していただきました。」
それから着々と販路を拡げ、「名古屋ふらんす」は高速道路のサービスエリアや駅の売店に並ぶようになった。
 

  和装のパッケージが多い中で、「フランスブルー」(一説には名古屋にちなみ、「ドラゴンズブルー」)の鮮やかな包装は一際目を引いている。
「直前まで暖色系で行くつもりだったんですが、それじゃあ、普通過ぎるぞと。種類がたくさんあるお土産の中で埋もれてしまわないように、思い切ってこの色を採用しました。コンセプトやネーミングの由来をきちんと説明できたことで受け入れられ、販路が広がったと思う。
 商品の特色が明確だったんですね。ネーミングもけっこうポイントで、わかりやすいが、なんだろうと気を引く部分もある。それがよかった気もします。」




◆自社ブランドを持つことの波及効果 

 自社ブランド・名古屋フランスcorp鰍フ立ち上げは、どのような効果をもたらしたのだろう。

 「今まで自社ブランドがなく、自分たちでお菓子を一から作って売ることがなかった。作っている焼き菓子は、あくまでも依頼をされたお客様の発想。デザインやネーミングも向こうが決める。そんな中、名古屋フランスcorp鰍立ち上げたことで、社内のモチベーションが上がったことは確か。名古屋の人が聞いたら、ああ、知ってると言ってもらえるくらいのブランドをめざそうと、社内にいい意味での刺激を与えたと思う。」

 小売店の要望を受けて、「名古屋ふらんす」は商品のバリエーションを増やし、さらに今、新たなミックス菓子を企画中だという。

 そんな服部さんに自社ブランドを立ち上げることの魅力を伺ったところ、「自社ブランドが一番いいなと思うのは、お客様に直接販売できるところ。自分たちが一から作りあげたお菓子を、お客様がうれしそうな顔をして買ってくれる、試食した人に「おいしいね」と言われる。お客様に喜んでもらえるのが実感できるんです。」


 

◆お客様に向き合うメーカーとして


 今、いろいろな問題が起こる食品業界。それに対して服部さんは、「メーカーとして常に考えなくてはいけないのは、お客様の立場だ」と言う。
大量に効率よく作りたいという経営者的な気持ちから一歩引いて、襟を正し、お客様をがっかりさせないことを最優先したいと。
「お客様にはうそをつかない。正直な情報を提供できる体制の中でやっていきたいと思う。だからあまり拡大とかは考えていない。大量生産型のラインで一日何十万個のお菓子を作るという発想はない。」

 そんな服部さんの言葉を裏付けることがある。
「名古屋ふらんす」は、サービスエリアなどに置かれる土産品の中では賞味期間が2週間と短い。これは、お土産として回転させていくには、かなり厳しい期間だ。この事実に後から気がついたという服部さん。しかし、賞味期間を長くしようとすれば、クリームの素材を落としたり、味付けを甘くしたりしなければならない。

 しかし、もともとが「新しい名古屋土産」を作りたいという発想から始まったもの。


 「先に日持ちを考えたのではなく、できたお菓子がこれくらいの日持ちだったということ。おいしい状態で食べてもらいたいという気持ちがすべてです」。

 自分たちが作るお菓子で、喜んでもらったり、笑顔になってもらいたい。
 自社ブランドの夢を広げる服部さんの誠実なお菓子作りは、これからも一歩ずつ進んでいく。


◆ 経営のツボ 

 「最近のニュースを見ていると、この業界は大変です。でもお菓子づくりは、人に喜んでもらうことが原点。夢のある仕事です。だから作る側も、お菓子を作る喜び、わくわく感を大切に、そういう気持ちを社内全体で共有できるような組織や、雰囲気づくりをしたいと思います。」

                                                                                                  
 名古屋フランスcorp株式会社 
   〒463-0015 名古屋市天白区原4丁目1310番地 
   TEL(0120)758-542 
   URL http://www.nagoyafrance.co.jp
                          





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