|
近年、電子行政、医療システム、入退室管理、旅客システム、在宅勤務、在宅学習などで、本人確認の重要性が高まっています。本人を確認する技術として、暗証番号、パスワード、ICカードなどの技術が利用されてきましたが、これらには、盗難、忘却、偽造、不正譲渡などの危険性がありました。
そこで、それを補う、または、その代わりとなる技術として、生体情報を利用するバイオメトリクス認証技術の導入が進んでいます。
生体認証(バイオメトリクス認証)は、セキュリティの観点からは、従来のユーザーIDとパスワードといった本人の記憶による認証とは異なる、本人の生体的特徴に基づく認証技術のことを一般的に言います。
すでに、ノートパソコンログイン時の指紋認証や、携帯電話操作時の指紋認証などが実用化されています。
 |
1)指紋照合
指紋照合システムは、元々、犯罪捜査に使われていた技術ですが、バイオメトリクス技術を利用した認証方法として、現在、最も普及しているシステムです。指紋は、一卵性双生児でもそれぞれ異なり、身体の成長や年齢を重ねても変化しないため、非常に高いセキュリティを簡単に保持できる利点があります。指紋認証セキュリティ機能付きのUSBフラッシュメモリやノートパソコンログイン時の指紋認証などは、目にすることも珍しくなくなってきました。
|
また、スパイ小説ではありませんが、本人の指紋からゴムなどで偽の指を作った場合、指紋照合システムを通ってしまうのではないかが気になりますが、指の電気伝導を使ったり、汗腺を読み取ったりすることで偽造防止対策が行われています。
2)手のひら静脈認証
手のひらの静脈は人によってすべて異なり、大きさ以外は生涯変わらず、しかも、体の中にあるため、他人がわかりにくいという信頼性の高い生体情報です。先行して接触型が製品化されましたが、非接触型の認証技術は、複数の利用者で装置を共用する場合の心理的、衛生的な問題に優れ、さらなる普及促進が期待できます。 なお、このところ新しい犯罪形態として、他人の銀行キャッシュカードの磁気情報を盗み取り、預金を引き出すという「スキミング」が世情を騒がしていますが、その対策の一つとして銀行ATMの静脈認証が有力視されています。
3)眼球照合
人の眼球の情報は、内部器官であるために、指紋以上に偽造が難しく、眼球を利用した照合システムは、本人の識別能力が高いのが特徴です。眼球照合システムには、網膜パターン照合と虹彩(アイリス)照合の二種類のシステムがあります。偽造が難しく、非常に識別能力が高いシステムであるため、主に、放射線管理施設や軍事施設などの重要管理施設で活用されています。
4)声紋照合 人間の声には、指紋と同様に他人と識別できる声紋があります。
もし、風邪で声がかすれたり鼻声になったとしても、声紋の波形の強さや周波数は変わらないとされているため、声紋認証システムが他人と誤ることはないのです。逆に、他人が別人の声を真似ても声紋認証システムで検知できるのです。
声紋認証を利用したアプリケーションは既に実用化されており、金融機関のコールセンター業務を中心に導入され始めています。
5)顔面照合
人間の顔の画像データをコンピュータに入力して、デジタル処理により本人識別を行う技術のことを言います。当初から顔面照合技術は、軍や警察関係の施設で研究が進められてきましたが、被験者の抵抗感が少ないシステムのため、識別精度の向上と小型高速化が進み、民生技術として実用化段階に入っています。
6)キーストロークダイナミクス
人間がキーボードを操作するときの、スピード、入力間隔、キーの押し離し時間などを解析して個人の識別を行う技術です。特別なハードが不要で、全てがソフトウェアで処理される点が最も大きな特徴です。
|